Opt-scope Rex
高分解能。高速。広範囲。ナノレベルの表面性状を測定する3D白色干渉顕微鏡

Introducing Opt-scope Rex

東京精密独自の高速専用アルゴリズムDEAPを搭載した、ナノレベルの表面性状を測定する白色干渉顕微鏡Opt-scopeシリーズ。このたびシリーズに新たに加わったOpt-scope Rexは、高精度な測定だけでなく、測定範囲の拡張と測定時間の大幅短縮を実現しました。

機能拡張のポイント

Opt-scope Rex New Features

機能拡張のポイント

Current Model

白色干渉方式により、機械加工部品などの表面粗さ・形状を非接触かつ短時間で測定

New Model

スキャン速度6倍UP

スキャン速度が6倍に。0.01nm の高分解能で高速測定ができ、狭い範囲の微細粗さから、広範囲のうねり形状解析まで、幅広く応用が可能になりました。

電動XYステージ移動範囲 最大600mm

様々なワークピースサイズに応じてカスタマイズすることができ、XYステージ移動範囲が最大600mmまで拡張可能となりました。

仕様と特長のポイント

Product Summary

東京精密独自の包絡線/絶対位相検出アルゴリズムDEAP(Algorithm for Detection of Envelope and Absolute Phase)を搭載。より広い測定範囲で高感度に包絡線を算出します。DEAPの測定ノイズ低減効果により、従来では上手く測定できなかった機械加工部品の傾斜面でも、より鮮明な形状データの取得が可能になりました。

01
最大ワーク高さ
さらなる高さUPも対応可能
さらなる高さUPも対応可能
02
最大ワーク積載質量30kg
更なる質量UPも対応可能
03
ステージオプション、天板のカスタマイズ
サイズ変更・ネジ穴加工等にも対応
04
XYステージサイズ可変対応
縦長・横長も可能
装置外形寸法はステージサイズによる
装置外形寸法はステージサイズによる
05
パッシブ除振台
アクティブ除振台にも対応
06
PC、各軸制御ユニットを収納
ユニット構成によってはすべて収納できない場合があります


白色干渉方式だから短時間で測定完了

白色干渉方式だから短時間で測定完了

白色干渉の原理を用いて、機械加工部品などの表面粗さ・形状を非接触かつ短時間に測定します。触針式の三次元表面粗さ測定機で必要なXY軸方向のスキャン動作が不要なため、測定スピードが圧倒的に速く、短時間で測定が完了します。

独自の白色干渉縞 ピーク検出手法 DEAP

独自の白色干渉縞 ピーク検出手法 DEAP

ディープ(Algorithm for Detection of Envelope and Absolute Phase)とは 東京精密独自の包絡線 / 絶対位相検出アルゴリズムです。PSI (位相シフト干渉法)よりも広い測定範囲を持ち、 VSI (垂直走査型干渉法)よりも高い分解能かつ広い測定範囲で、更に高感度に包絡線を算出します。 ディープの測定ノイズの低減効果により、圧倒的な実効分解能を実現することで、 従来では上手く測定できなかった機械加工部品の傾斜面でも、より鮮明な形状データの取得が可能になりました。

Specifications & Features

大型ワークピースの粗さ・欠陥・微細輪郭測定に最適

大型ワークピースの粗さ・欠陥・微細輪郭測定に最適

Features-1

最大測定高さは 200 mm※。130 mmコラムスペーサー(オプション)により330 mmまで高くできます。ワーク固定用治具と大きなワークを載せても十分な測定高さを有します。ベアリング等の摺動面の三次元粗さ・傷・磨耗の解析、砥石や超硬チップの刃先の形状評価から、半導体ウェーハの表面欠損検出まで、多様なアプリケーションに対応します。[※Opt-scope S+の場合]

オートフォーカス・オートレンジ機能で測定効率アップ さらに、高速カメラオプションでスキャン時間を大幅短縮

オートフォーカス・オートレンジ機能で測定効率アップ
さらに、高速カメラオプションでスキャン時間を大幅短縮

Features-2

Opt-scope は、測定前の準備から測定完了までを格段に効率化する2 つの優れた機能を搭載しています。

オートフォーカス機能...... 上方向に走査軸を走査し、干渉縞を自動的に検出して焦点を合わせる機能です。測定前に必要な焦点合わせに要する時間を大幅に低減します。また、ワークに応じて高速モードと高感度モードの使い分けも可能です。

オートレンジ機能 ...... ワークの複数箇所を測定する際、従来一律で設定していたZ 方向の測定範囲を、個々の測定箇所ごとに自動で最適化できる機能です。1 箇所あたりの測定時間を最小化でき、トータルの測定時間の大幅な短縮が可能です。広範囲の連続測定やスティッチング測定の効率化に大きな効果を発揮します。

高速カメラオプション、スキャン速度が6倍にUP

高速カメラオプション【NEW】

 

スキャン速度が6倍にUP※

Features-3

精度に応じて選べる2モード。
高速モードがさらに高速になりました。※ 推奨画素数使用時

 透明多層膜測定機能

透明多層膜測定機能

Features-4

厚みが光学長1.5 μm 以上の透明膜を最大積層6(7界面)までとし、 最表面の面性状をはじめ、各層の膜厚、膜厚分布の解析が可能です。

Opt-scope Rex - EYE

東京精密独自の高速専用検出アルゴリズムDEAP2により、ナノレベルの表面性状を高速測定する大型モデル3D白色干渉顕微鏡 Opt-scope Rex。「測定機は、お客様と一緒に育てていくもの」と語る開発担当者に、製品への思いを聞きました。

川上哲司

川上哲司

計測社 技術部門
coordinate measuring グループ
OPTチームリーダー

猫﨑良典

猫﨑良典

計測社 技術部門
coordinate measuring グループ
主任

Opt-scopeの特性を教えてください。

川上

Opt-scopeは従来型の接触式測定機に代わり、非接触での測定を可能にした三次元表面粗さ・形状測定機です。測定子をピンポイントで当てることが難しい微細なもの、柔らかいもの、あるいは測定子が削れてしまう硬質なものなどの測定を可能にしました。
従来の接触式では、鏡面状の製品に針状の測定子を当て、トレースすると傷をつけてしまうことがありました。また、線ではなく面での粗さを評価する場合には、膨大な量の線データから面データを作成するため、測定箇所を少しずつずらしながらトレースを繰り返す必要があり、時間がかかっていました。こうした効率の悪さを解決し、線ではなく面でデータを取得することで大幅な時間短縮を実現したのがOpt-scopeシリーズです。レンズ倍率を変えられる顕微鏡タイプなので、測定面の拡大や、広視野での確認、解析に必要な解像度への変更が可能です。

Opt-scopeによって可能になったことは?

川上

表面データを3次元で視覚化できることにより、品質管理の精度は飛躍的に向上しました。例えば、鏡面の傷をNGとする商品の場合、傷の位置を平面画像にて確認し、3次元データ化することで、NGとする傷の深さや幅、長さを数値評価できます。Opt-scopeでは、傷の領域と鏡面の領域をひとつの面データの中に取得できるため、問題の全体像をつかみ、正しい評価ができます。接触式の場合には、傷の部分を線状にトレースしない限りエラーに気づけないわけです。

Opt-scope Rexは従来モデルに比べて大幅に性能が向上したそうですね。

猫﨑

ステージの移動距離が25~50mmから400~600mmへ、最大ワーク積載質量も30 kgまで可能にしました。微細な精密部品から金型のような重量物まで、さまざまなワークの測定ができるようになりました。

Rexの開発経緯を教えてください。

Rexの開発経緯を教えてください。

川上


Opt-scopeシリーズの開発に着手した頃は微細なワークの測定を想定し、従来からの弊社のユーザーである自動車関連部品に加えて、半導体業界への拡販を目指しており、2020年に半導体製造装置の機械部品の引き合いを頂きました。測定精度は十分でしたが、ワークのサイズ、重量が大きかったことから大型高速機Rexの開発がスタートしました。単なる大型化ではなく、高耐荷重、高速移動、高位置決め精度を同時に成立可能なものを目指し、且つ、個別のステージストローク変更要望に短期間にて対応できるよう、ストローク拡張までを見越したプラットフォーム設計をすることにしました。

開発の過程で苦労したことはありますか?

猫﨑

課題はふたつありました。ひとつは形が変化してもオリジナルと同等の性能を維持すること、もうひとつはクライアント側の導入予定がすでに7か月後に決まっていたことです。テクニカルの面で難しいことはなかったのですが、タイトなスケジュールと両立させるのが大変でしたね。そこで時間短縮を図るため、ステージなど大きな構成部品の設計を並行して進めました。本来ならばAユニットが完成してからBユニットを造るという工程を、Aユニットの仕様が50%程度固まった段階でBユニットの設計にも着手する、という方法を繰り返して乗り切りました。それぞれの担当者が混乱しないよう、綿密にコミュニケーションを取り合って確実に進めました。

今後マーケットではどのようなニーズが生まれると思いますか?

川上

Opt-scopeシリーズの大きな方向性はふたつあると思います。ひとつは半導体業界。もうひとつの大きなマーケットは、自動車のEV化にまつわる各種製造業ですね。このEV分野では測定する対象物が変わり、対応する測定機もOpt-scopeシリーズではないかもしれませんが、新しいニーズには、必要な新しいソリューションにて対応していくつもりです。

Opt-scopeシリーズを、どのように育てていきたいですか?

川上

ISOおよびJISにて新たに制定された3次元粗さパラメータに対応するために、接触式の測定機器からOpt-scopeシリーズへ置き換えるお客様は今後も増えていくでしょう。私たちはメーカーとして、そんなお客様をしっかりとフォローしていきたいと考えています。

猫﨑

Opt-scopeシリーズの導入によって、製品がどのように摩耗するかを分析できたり、最適な機能を実現する凸凹の数値が分かるようになったり、これまで見えなかった傷の評価基準を決めたりもできるようになるでしょう。3Dデータを蓄積し、分析し、原因が分かるようになれば、さらにより良いものづくりが可能になります。私たちは、測定機はお客様と一緒に育てていくものだと思っています。多くのお客様と課題を共有し、さまざまな解析提案を行い、品質向上に貢献できたら嬉しいです。

測定を第一歩に、より良いものづくりへ

より短時間で、より広範囲の高精度測定が可能となったOpt-scope Rex。東京精密は製品を通して、お客様が「測ること」でさらにより良いものづくりを実現するためのサポートを続けてまいります。

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