
産業機器向けに高精度のファインセラミックス加工を提供しているフルカワセラミックス株式会社様に、東京精密とのお付き合いや、測定機に対する期待についてお話を伺いました。
フルカワセラミックス株式会社について
事業内容について教えてください。
フルカワセラミックスは新潟県に拠点を構え、ファインセラミックス製品の加工・販売を行っています。設立は2011年。わずか3名でスタートした会社ですが、現在ではグループ全体で約110名の規模にまで成長しました。
ファインセラミックスは用途が非常に幅広く、さまざまな業界のお客さまのご要望に応じて、きめ細やかな加工が求められます。そのため、加工用の装置を各種取り揃えるとともに、高品質を実現するためには人の手による丁寧な仕上げも欠かせません。そして、完成した製品が正確に加工されているかを検証するためには、高精度な測定機の存在が不可欠です。

社風について教えてください。
経営において私が大切にしているのは、多様な人材が働きやすい環境を整えることです。私自身が率先して笑顔で挨拶をするように心がけており、それが社内に自然と浸透しているように感じます。社員にも積極的に声をかけ、進めているテーマの状況や、困っていることがないかを日々確認しています。
女性が活躍している点も、当社の大きな特長のひとつです。全社員の約半数が女性で、広報、人事、経理といったバックオフィスはもちろん、技術職としても多くの女性が働いており、本社工場では女性が副工場長を努めています。当社の女性社員は報告や連絡がしっかりしていて、丁寧な仕事ぶりが非常に頼もしい存在となっています。また、育児中の社員も多いため、働き方については柔軟に対応しています。
製品採用のきっかけ

東京精密との関わりについて教えてください。
実は、会社を立ち上げる前から東京精密の製品が好きでした。以前は別のメーカーの測定機を使っていたのですが、どうしても東京精密の機器を導入したくて、営業の方にお越しいただいたのが始まりです。最初に導入したのはXYZAX SVAで、それ以来、現在までに三次元測定機を6台導入しました。
そのおかげで、途中工程や出荷時の検査において高精度な測定が可能になり、製品の表面仕上げを現場で的確にコントロールできるようになりました。セラミックスは全数検査が必要な分野であるため、自動測定ができるのは非常に助かっています。加工後の測定データをもとにフィードバックを行い、次の狙いを定める際にも大いに役立っています。

また、当社は近接する3つの工場で分業体制を敷いており、効率化やリスク分散にもつながっています。それぞれの工場は少人数体制ですが、研磨担当と測定担当の全員が三次元測定機を使えるよう教育しているため、出荷業務が集中した際には他工場から応援に入るなど、柔軟な連携体制が整っています。
オペレーターの技術力も高いのですが、質の高い製品を納品できているのは、何よりも東京精密の測定機のおかげです。優れた測定機を持つことは当社の強みであり、今後はさらに台数を増やし、「加工機8台~10台に対して測定機1台」を目指したいと考えています。
将来の展望や東京精密に期待すること
東京精密に期待することをお聞かせください。
今後は測定の自動化にもさらに注力していきたいと考えています。以前、テレビ番組で「人間の目が1秒で判断することは、スーパーコンピューターでも1秒間に数千兆回の演算が必要」という話を聞き、人間の認識能力の高さに改めて感心しました。それを補完し、より高い精度を実現するには、測定データによるアシストが重要です。機械や素材特性ごとに測定データを分類し、それに基づいて人が切削するかマシンに任せるかを判断できるような仕組みがあれば、大変ありがたいと考えています。

セラミックスの場合、どうしても投影的に確認したい箇所が出てきます。たとえば、マイクロクラックと呼ばれる微細な亀裂が発生することもあり、また、丸く加工した製品にわずかな歪みがあると、光の屈折によってその違いが現れます。最近導入したO-INSPECTという測定機は、投影機としても使えるそうなので、今後活用していきたいと考えています。
もうひとつ実現したいのが測定の画像化です。当社の製品にはリング状のものが多いため、非接触で得られた画像データをCAD画面と照合し、その差異をもとに補正値を算出できるような仕組みがあれば理想的です。最終的な仕上げは人の手が担う必要がありますが、それまでの工程を自動化できれば、少子化による人手不足が進んでも、日本のモノづくりは持続可能であり続けると信じています。
ほかに利用したい製品はございますか。
そのほか、粗さ測定機やクリーンロボット向けの測定機など、当社の事業に活用できる測定機はすべて揃えたいと考えています。ファインセラミックスは今後ますます高精度化・複雑化が進む分野です。東京精密の測定機の導入をさらに進めることで、それに的確に対応し、業績のさらなる向上につなげていきたいと思っています。

フルカワセラミックス株式会社
代表取締役社長
古川 幸作 様
フルカワセラミックス株式会社
2011年、ファインセラミックス製品の加工・販売メーカーとして設立。
2020年、社名を現在のフルカワセラミックス株式会社に変更。新潟県阿賀野市に本社工場、阿賀野工場、加工技術センターを設置。半導体・液晶・電器部品をはじめとした、幅広い分野のお客様のニーズに応える製品を製造し続けている。
※2024年10月時点の情報です。
製品情報