User’s Voice ユーザーズインタビュー
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vol.13 - 仲精機株式会社

高い技術力を武器にして高難度の注文にも応える仲精機株式会社様に、
東京精密製測定機を導入されたきっかけと使用感を伺いました。
仲精機株式会社

仲精機株式会社

代表取締役 後藤 勝一 様

1952年に仲精機工作所として創立、1967年に仲精機株式会社となる。以来、「フレキシブルと独創」をキーワードに、常に新しい可能性を拡げている。
また、OEMによる精密機構部品製造とともに自社開発部品の製作を拡大し、部品試作を一貫工程で行う。
社の信条は「誠意、 技術、 実行、 合理性」。日進月歩の技術や時流に後れることなく、合理的でありながらも誠意をもって実行する―それを理想に成長を続けている。

本 社

〒570-0011 大阪府守口市金田町1 丁目2 番17 号

富士工場

〒401-0320 山梨県南都留郡鳴沢村字小大持5629-1

富士ショールーム

〒401-0320 山梨県南都留郡鳴沢村字小大持5629-1

最初に業務内容について教えてください。

当社は、今年創立70周年という節目を迎える総合メーカーです。得意としているのは、エアチャックやハンドプレス、かしめ機などの製造です。
創業当初から受け継いだ専門メーカーとしての技術力の高さを、自社開発製品に活かせるよう心掛けております。
そうした機械製造事業と、お客様からいただいた外注加工事業を両輪で行っていることが特色です。

真円度測定機を導入したきっかけは何でしょうか?

試験用中間軸スピンドル
試験用中間軸スピンドル

高速機械メーカーからの外注加工依頼で、スピンドルの加工というものがあり、スピンドル本体の要求精度が非常に高いものになります。
スピンドルは高速回転する部品ですので、外周の真円度はもちろん、ベアリングで支える支持部の同軸度、フランジとスピンドル軸の直角度を高精度にする必要があります。1マイクロメートル以下の精度で品質を安定させる必要があり、そうでないとスピンドルの振動でベアリングは早期摩耗し、ひいてはスピンドル本体の故障にも繋がります。
スピンドルに求められる幾何公差を安定させる、その要求に応えるためには真円度測定機が必要だと考え、今回導入を決めました。
実は2021年にEVモーター試験用の中間軸スピンドルを開発したのですが、検査には東京精密の真円度測定機を使用しました。

実際に東京精密の真円度測定機を導入してみて、いかがでしょうか?

真円度測定機RONDCOM NEX

東京精密の真円度測定機RONDCOM NEXは、非常に使いやすいです。
コラムストロークも900mmという、長いスピンドルにも対応できるよう導入しました。
図面指示された真円度、同軸度、直角度を、誰でも簡単に測定できるので、工作機械のドレスの管理やチャックの保持方法、加工データの補正などに役立てております。
そうした実際面以上に印象的だったのは、お客さまの真円度測定機に対する信頼度の高さです。真円度測定機を導入していることで、品質への不安感が拭えています。
それは昨年の一年間、新規のお客さまへ営業する中で実感しました。
また、ご契約いただいたお客さまからは、非常に優秀なスピンドルができることを期待もされています。
お客さまのニーズに応えるために、真円度測定機は必要不可欠なものだと思います。

スピンドルを精測する上での苦労や、今後の課題などをお聞かせください。

車用テーブル
車用テーブル

スピンドルは、本来なら温湿度管理がされた環境の中で、研磨加工の最終仕上げをします。
しかし当社は工場が古いため、その管理が難しい状況です。そのような環境の中、「コンマ何ミクロン」という精度で仕上げるのは、従業員の匠の技術があってこそできることで、大変苦労しています。
例えば、当社は車用テーブルを製作しているのですが、アルミの一枚板から削り出して作成しています。
これは精密加工技術の高さがなければ、できないことです。そうした技術を、次の時代を担う若い世代へと教えていかなければなりません。しかし納期もあるので、つい自分でやってしまうことが問題です。
もちろん機械の精度が上がっている分、熟達していない者でも製品をつくることはできます。
ただ、そこに加わる技術者のひと匙、隠し味が、製品をより完成度の高いものにしてくれます。
そのひと匙を、どうやって次世代へ伝承するかが、今後の課題です。

これからの東京精密に期待することはありますか。

当社は、東京精密の半導体製造装置事業で部品加工の一部を任せていただいており、関わりがあります。
そういう意味では、お互いに協力し合っているという一体感を覚えています。
また、当社は今後、三次元測定機などの導入も考えていますので、半導体製造装置と精密な測定器をつくられている東京精密には、期待するところも大きいです。
今まで以上に使いやすく、現場で簡単に幾何公差や表面粗さを測定できるシステムや、工作機械に取り付けて、機内で測定できるシステムの開発に、ぜひ取り組んでほしいと思います。

東京精密より、対談を終えて

真円度測定機の導入は、取引先の要求に応え、高精度で確かな品質の製品を収めるというだけでなく、自社スキルの向上にも役立てられる。そう話されたことが印象的でした。
現状に満足せず、常に向上心を忘れない。そんな仲精機さまと、互いに協力し、切磋琢磨して歩んでいける東京精密であり続けるために、これからも努力してまいります。

2022年11月時点の記事です。

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