気候変動

東京精密では、長年にわたり独自の目標を定め、生産の拠点である八王子工場・土浦工場の省エネルギー化に取り組んできました。パリ協定が削減義務国に求める削減目標や日本政府が2021年4月22日に示した温室効果ガス削減の2030年度目標の実現に向け、事業活動、生産活動、研究開発など、両工場で使用・消費されるエネルギー(Scope1とScope2)を対象に、新たなCO₂排出量の中長期削減目標を設定しました。
この目標を実現するため、再エネ由来の電力使用・低炭素電力使用の採用や高効率機器への切り替えなどによる電力使用量の削減を進め、結果の監視と評価を行っています。

CO₂排出量削減目標

2025年度までに2018年度比 35%削減
2030年度までに2018年度比 50%削減

2022年度の計画と実績

CO₂排出量の推移

 

エコファクトリ
(環境に配慮した工場)
2018年度

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
CO₂排出量合計
(Scope1+Scope2)
12,312t-CO₂ 11,982t-CO₂ 9,524t-CO₂ 8,191t-CO₂ 8,257t-CO₂
CO₂排出量 生産高原単位
(Scope1+Scope2)
0.160
(t-CO₂/百万円)
0.191
(t-CO₂/百万円)
0.129
(t-CO₂/百万円)
0.080
(t-CO₂/百万円)
0.074
(t-CO₂/百万円)
内訳 ガス 21t-CO₂ 21t-CO₂ 42t-CO₂ 51t-CO₂ 54t-CO₂
燃料 65t-CO₂ 51t-CO₂ 33t-CO₂ 43t-CO₂ 45t-CO₂
電気 12,226t-CO₂ 11,910t-CO₂ 9,449t-CO₂ 8,097t-CO₂ 8,158t-CO₂

Scope1 自社による温室効果ガスの直接排出( 燃料の燃焼、自家発電、工業プロセスからの排出)
Scope2 他社から供給された電気、熱の使用に伴う間接排出(例えば電力会社からの買電など)

エコファクトリ(環境に配慮した工場)

テーマ 計画・目標値 実績(2022年度)
CO₂排出量の削減 2025年度までに2018年比 35%削減
 設定年 :2021年
 期間 :2020年度-2025年度
 基準排出量:12,312t-CO₂
 削減目標 : 8,003t-CO₂
8,257t-CO₂
(2018年度比 33%減 )
省エネルギーの推進
(使用電力量削減)
環境システムプログラムによる削減
140MWh
238MWh減
達成率:170%

エコプロダクツ(製品を通じての環境貢献)

テーマ 計画 実績
環境配慮型製品の開発 LCAに基づく環境影響評価 高スループット化
測定時温度帯拡張
省電力化

製品開発時のライフサイクルアセスメントと製品ごとの詳細は「製品を通じた環境貢献(エコプロダクツ)」を参照

エコファクトリ(環境に配慮した工場)

当社は、精密部品の加工から自社で行っている機械メーカーです。消費するエネルギーの99%以上が生産工場の電力ですが、切削および加工に使用する水の量も少なくありません。水を使って半導体を加工する製品の生産量が増え、完成品の検査や調整、テスト加工などに使用する水の量も増えているため、電力と水の使用量を削減する努力を続けています。また、装置の機械部品点数が多く、部品加工や組み立てに使われる紙の図面が多いため、省資源の取り組みとして、電子データで加工・組み立てを行うなど、紙使用量の削減に取り組んでいます。その他、金属加工くずや加工廃液などについても、可能な限りリサイクルするように努めています。

エコプロダクツ(製品を通じての環境貢献)

気候変動に対応していくため、当社では環境配慮型製品の開発に取り組んでいます。新製品開発審査時の必須項目としてLCA(ライフサイクルアセスメント)を実施するほか、既存製品の環境影響も評価しています。当社はLCAによって開発・製造・改良された製品を「エコプロダクツ」とし、責任あるモノづくり企業として脱炭素社会に貢献していきます。

地球温暖化防止の推進(脱炭素社会に向けて)

当社が排出する温室効果ガスは、八王子と土浦の工場運営に使用される購買電力換算分のCO₂がほとんどを占めており、地球温暖化防止対策として省電力に重点を置いた取り組みを進めています。

CO₂排出量削減の具体例

CO₂排出量削減の具体例

再エネ電力*¹の調達

低炭素電力・CO₂フリー電力*²への切り替え・導入(八王子・土浦工場)

太陽光発電設備の設置・保守(八王子・土浦工場)

*¹ 再エネ電力

再生可能エネルギーにより発電された電力

*² CO₂フリー電力

発電する際にCO₂を排出しない電力。CO₂を排出しない再生可能エネルギーに由来する環境価値を活用した、実質的にCO₂フリーとなる電力

省エネルギー推進の具体例

高効率マシニングセンタの導入と稼働

排水処理中継槽中継ポンプ、モーター・ポンプ交換~省エネタイプ

純水用中間水槽ポンプ交換~省エネタイプ

冷水チラー更新~省エネタイプ

空調設備更新(八王子ACCTタワー)

空調最適化(計測社検査室)

省CO₂型設備更新(約50百万円)

照明のLED化(八王子:ACCTタワー、第3工場、第5工場)
→エアコン更新(八王子:ACCTタワー、第1工場)

HV/EV車の導入拡張、燃費改善タイヤの装着

大気への環境負荷の管理

当社は、半導体製造装置で使用するHFC*ガスを使用した冷凍機も製作しています。冷媒ガスは適切に管理しており、外部に排出するガスはほとんどありません。また、地球温暖化係数が低いガス冷媒への切り替えも進めています。

* HFC(ハイドロフルオロカーボン)

オゾン層を破壊する塩素原子が含まれないため、フロン代替物質としてエアコンなどの冷却材などに用いられる

大気への排出量

単位: t-CO₂

その他ガス 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
CH₄ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
N₂O 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
HFC 9.4 2.0 11.0 0.0 0.0
PFC 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
SF₆ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

対象範囲 八王子工場、土浦工場




各課題への取り組み