労働安全衛生
東京精密グループは機械メーカーであり、製造や物流の現場には装置や部品、工具や加工機械などが多く配置されています。また、製品が生産用設備であることから、納入・設置、保守点検など、お客さまの生産現場という慣れない環境での作業も少なくありません。これらのリスクを細心の注意力をもって探り出し、作業者の動作・動線を観察・予測して安全リスクを最少化する措置を実施することで、日々の職務行動を安全で合理的に進められるよう、安全衛生の取り組みを進めています。
目標と実績
| 単位 | 目標 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
| 休業災害件数 | 件 | 0 | 2 | 1 | 4 | 1 | 2 |
| 不休災害件数 | 件 | 0 | 10 | 12 | 15 | 9 | 13 |
対象範囲:東京精密 半導体社・計測社・業務会社の従業員および派遣社員
労働災害の状況
2025年度の労働災害発生状況は、休業災害が2件・不休災害が13件となり、前年度と比較すると合計で5件の増加となりました。事故の型別では、「転倒」災害が増加しており、職場ミーティングや声掛けによる安全意識の向上を図るとともに、階段への注意喚起ステッカー貼付や、つまずき防止テープの設置といった環境改善を進めています。
事故の型分類表
| 分類 |
労働災害件数(件) |
労働災害死傷者数(名) |
|
飛来、落下 |
0 |
0 |
|
切れ、こすれ |
3 |
3 |
|
はさまれ、巻き込まれ |
1 |
1 |
|
転倒 |
5 |
5 |
|
激突 |
0 |
0 |
|
感電 |
0 |
0 |
|
その他 |
6 |
6 |
対象範囲:東京精密 半導体社・計測社・業務会社の従業員および派遣社員
指標のモニタリング
当社は労働災害の発生状況を評価する指標として度数率・強度率を採用しています。
毎年の実績および製造業(事業所規模100名以上)の状況をモニタリングしています。
休業災害度数率*¹の推移
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | ||
| 全産業*² | 2.09 | 2.06 | 2.14 | 2.10 | 2.01 | |
| 全国製造業平均*² | 1.31 | 1.25 | 1.29 | 1.30 | 1.33 | |
| 電気機械器具製造業*² | 0.54 | 0.53 | 0.54 | 0.67 | 0.60 | |
| 東京精密単体 | 0.53 | 0.26 | 0.99 | 0.47 | 0.44 | |
| 半導体社・業務会社 | 0.66 | 0.33 | 0.94 | 0.59 | 0.28 | |
| 計測社 | 0.00 | 0.00 | 1.15 | 0.00 | 1.06 | |
*¹ 度数率:労働災害による死傷者の発生頻度を示す
計算式 (死傷者数/延実労働時間数)×1,000,000
*² データは厚生労働省「労働災害動向調査」による
休業災害強度率*¹の推移
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | ||
| 全産業*² | 0.09 | 0.09 | 0.09 | 0.09 | 0.09 | |
| 全国製造業平均*² | 0.06 | 0.08 | 0.08 | 0.06 | 0.07 | |
| 電気機械器具製造業*² | 0.01 | 0.02 | 0.01 | 0.03 | 0.01 | |
| 東京精密単体 | 0.040 | 0.000 | 0.008 | 0.000 | 0.000 | |
| 半導体社・業務会社 | 0.050 | 0.000 | 0.002 | 0.001 | 0.000 | |
| 計測社 | 0.000 | 0.000 | 0.031 | 0.000 | 0.001 | |
*¹ 強度率:労働災害によって生じた損失の程度割合
計算式 (延労働損失日数/延実労働時間数)×1,000
*² データは厚生労働省「労働災害動向調査」による
推進体制
当社の八王子工場・飯能工場・土浦工場では、各工場長を統括安全衛生管理者とする安全衛生委員会を設けています。安全衛生に関わる重大事案の立案・審議を行い、安全で快適な職場環境の維持・向上を図ることで、従業員の職場における安全衛生意識の向上、健康維持および増進の実現を目指すものです。各委員会は月1回の開催を原則とし、統括安全衛生管理者が必要と認めた場合には臨時で開催します。2025年度の安全衛生委員会は計画通り開催されました。
なお、50名未満の小規模事業場である古殿工場においては、工場責任者が衛生推進者として職場の安全衛生を推進するとともに、土浦工場の安全衛生委員会に参加・報告しています。年2回の内部監査を行い、その結果を本社監査室に提出して取締役会に報告するとともに、同委員会を監査室の監査対象にしています。
安全衛生委員会(2026年3月31日現在)
そのほか各工場では、化学物質管理責任者および保護具着用管理責任者を選任しています。
2025年度の安全衛生委員会開催回数
八王子工場安全衛生委員会
12回
飯能工場安全衛生委員会
12回
土浦工場安全衛生委員会
12回
古殿工場衛生推進者の参加
12回
巡視活動
衛生管理者の職場巡視
八王子工場・飯能工場では、設備・作業方法、衛生状態を確認のため、衛生管理者が原則週一回の職場巡視を行い、必要な措置を講じています。衛生管理者職場巡視チェックリストを用いた巡視記録は総務課に提出、5年間保管しています。
高所における部品仕分け箱の一時置き禁止
転倒防止対策の実施
5S*パトロールと安全巡視
土浦工場では、管理職・一般職による週1回の5Sパトロールと、安全衛生部会員による月1回の安全巡視を実施しています。古殿工場でも同様に、月1回の「5S・安全パトロール」を行っています。いずれの工場でも、改善が必要な箇所には指摘後にフォロー巡視を行い、是正の有効性を確認しています。
* 5S(職場環境の維持・改善のためのスローガン)
整理(Seiri)・整頓(Seiton)・清掃(Seisou)・清潔(Seiketsu)・しつけ(Shitsuke)の5つの言葉の頭文字Sをとって5Sと呼ぶ
物品置き場からのはみ出しによる通路障害の是正
耐震対策の実施
事業場におけるリスクアセスメント
当社は、職場巡視によるリスクアセスメントを定期的に実施し、作業環境を確認するとともに課題を抽出、対策・改善につなげています。また、新規機械導入時や作業手順変更時にはリスクアセスメントなどに加え、機械運転、重機作業、電気配線作業などの教育訓練を随時実施し、危険回避に努めています。
設備リスクアセスメント実施基準による新規設備導入時リスクアセスメントの実施
2件
作業リスクアセスメント規定による作業リスクアセスメントの実施
33件
リスクアセスメント研修
計測社と半導体社では、労働災害の未然防止を目的として、外部講師によるリスクアセスメント研修を毎年定期的に実施しています。2025年度の研修では、危険性・有害性の特定、リスクの見積もり、低減措置の一連のプロセスを基に、現行のリスクアセスメントにおける課題分析や効果向上に向けたポイントについて、他部署を交えたグループワーク形式で検討を行いました。他部門の視点を取り入れることで、自職場の安全管理体制を客観的に見直す非常に有意義な機会となりました。
教育・研修
社内研修・試験
当社では、通勤や出張、工場内での作業時など、さまざまな場面で従業員が危険から回避できるよう、社内研修や認定試験を実施しています。
|
2025年度講習内容 |
受講者数(名) |
| 交通安全講習 | 900 |
| 救命救急講習 | 21 |
| AED(自動体外除細動器)実技講習 | 43 |
| リスクアセスメント研修 | 51 |
| 低圧電気取扱業務特別教育 | 35 |
| 八王子工場 フォークリフト社内認定試験 | 44 |
|
土浦工場 フォークリフト・玉掛け作業・クレーン安全講習 |
229 |
社外研修
公益社団法人 東京労働基準協会連合会 八王子労働基準協会支部(東基連 八王子支部)
地域労働者の労働災害防止活動の振興のために、東京労働基準協会連合会八王子労働基準協会支部が主催する講習会や、他の団体が主催する講習会に参加しています。業務に従事する上で必要な技能を取得するための講習です。講習修了者は、工場の環境に合わせた社内実技試験を行うことで、従業員の安全衛生教育を徹底しています。
| 2025年度 東基連 八王子支部主催 講習内容 | 受講者数(名) |
| 玉掛け・クレーン講習 | 36 |
| 職長・安全衛生管理者 | 7 |
| 有機溶剤作業主任者 | 17 |
| 特定化学物質(四アルキル鉛等)作業主任者 | 3 |
| 化学物質管理責任者講習 | 8 |
| 保護具着用管理責任者講習 | 13 |
| 危険予知訓練 | 2 |
| フルハーネス | 2 |
| 低圧電気取扱業務特別教育 | 8 |
| ガス溶接 | 1 |
| 石綿作業主任者 | 2 |
| 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者 | 1 |
| フォークリフト | 5 |
| 高所作業車運転技能講習 | 2 |
| 熱中症予防管理者労働衛生教育 | 5 |
対象範囲:東京精密 八王子工場、飯能工場、土浦工場、古殿工場
| 2025年度 他団体主催 講習内容 | 受講者数(名) |
| フォークリフト | 4 |
| 防火・防災管理者・技能者講習 | 6 |
| 上級救命講習 | 2 |
| 防災センター・自衛消防教育 | 1 |
対象範囲:東京精密 八王子工場、飯能工場、土浦工場、古殿工場
一般社団法人 日本半導体製造装置協会(SEAJ)
同協会は、半導体製造装置の設置・保守・サービス要員のための安全教育を業界標準とするべく、「SEAJ 推奨安全教育」を推進しています。当社八王子工場では、同協会の安全教育専門委員会に所属する当社従業員が、製造現場やクリーンルーム内で作業を行う半導体社CEおよび製造・設計のエンジニア向けに、「SEAJ推奨安全教育」の講習を実施しています。これまでに受講した従業員は、延べ524*名に上りました。
| 2025年度SEAJ推奨安全教育 | 受講者数(名) |
| 新規受講者 | 38 |
| 更新講習受講者(3年更新) | 79 |
* 2025年度の延べ人数の計算に誤りがあったため修正しました。
災害・事故防止
避難訓練
安全衛生委員会下の防災部会では、毎年工場内の子会社、関連会社を含む全ての工場勤務者を対象に緊急事態を想定した避難訓練を計画、実施しています。
2025年度の避難訓練
自衛消防訓練
八王子工場・飯能工場・土浦工場の自衛消防隊は、年間計画に沿って毎月1~2回の定期訓練を実施しています。屋内消火栓操法の迅速性かつ正確性を競う「自衛消防訓練審査会」(主催:八王子消防署・八王子防火管理研究会)には毎年参加し、訓練の成果を発揮しています。2025年度審査会には、八王子市内31事業所から自衛消防隊40隊が参加し、当社八王子工場自衛消防隊が「1号消火栓」の部(参加21隊)で競い合いました。
各工場の自衛消防隊訓練
2025年 自衛消防訓練審査会
緊急事態想定訓練
半導体社、計測社は、危険物質の漏えい・流出事故を想定し、回収や洗浄などの適切な処置が行えるよう、各工場で年1回以上の緊急事態対応訓練を実施しています。対象となる各部署は、期初に環境管理責任者へ訓練計画書を提出し、訓練実施後には速やかに実施報告書を提出するよう徹底しています。
・強アルカリ性化学物質漏洩想定訓練
・ケミカル洗浄剤飛散時想定訓練
薬品・化学物質の取り扱い
当社では、工業用薬品の購入を検討する際には、社内規程に従い、含有成分中の環境汚染物質(有機溶剤、特定化学物質、危険物など)の有無を確認する化学物質リスクアセスメントを実施しています。八王子工場の担当部署が八王子工場・飯能工場・土浦工場で行われたアセスメントの結果を基に、薬品の購入可否判断を行います。2025年度には、166件の新規採用および既存使用の見直しに伴う化学物質リスクアセスメントを実施しました。
また、管理・使用部署に定期点検および定期数量確認を義務付けるとともに、PRTR法、有機則、毒劇物法に基づく化学物質の使用量削減、代替を推進しています。
各課題への取り組み